いつの時代も、最後に勝負を決するのは、企画力・発想力・提案力にはかならないし、人にいわれたことだけをやるのは、しょせんロボットみたいなもので、大して値打ちはない。これからの二十年で、科学はなおも加速度的に発展していくだろうから、単純な業務はもちろん、かなり複雑な業務までロボットやコンピュータがこなしてしまうようになる。ただし、ロボットやコンピュータは、あくまでサイエンスであって、アートではない。アートの部分は、サイエンスからはけっして出てこないのである。
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どんなに時代が進んでも、少なくとも私や読者のみなさんが存命中は、サイエンスがアートを生み出すことはありえない。アートは、きわめてヒューマンなものなのだ。いくらロボットやコンピュータが目覚ましい進化を遂げても、ヒューマンの部分においては人間に劣るに決まっている。およそ人間がすることで最終的な勝負を決するのは、いつだって企画力、発想力、提案力などのヒューマンなものにほかならない。これについては、ビジネスパーソンもしかりだ。もっといえば、企画力・発想力・提案力などすべてを包括するものとして、「表現力」がいちばん大切になる。表現力というと、話し方だとか、プレゼン能力のことだと誤解されがちだが、もちろんそんなものではない。自分の頭に浮かんだ企画やアイデアなどを、第三者に的確に伝える能力を私は表現力と呼んでいる。あなたにいくらよい企画やアイデアがあっても、それが頭のなかにだけあって相手に伝わらないのなら、存在していないのと同じなのだ。企画もアイデアも、第三者に伝わってはじめて意味がある。したがって、ビジネスパーソンは何はともあれ、表現力を身につけることが大事である。